翻訳者に資格は必要なのか
翻訳者に関係する資格には、英語関連の資格と翻訳関連の資格があります。
どちらかでも持っていれば翻訳会社に登録する際に有利に働くと考えられますが、必ずしも持っていなければならないということではありません。
資格を持たずに仕事をしている翻訳者はたくさんいます。
資格を持っているかいないかで待遇が異なることはありません。
実際の仕事で案件の単価や仕事を回してもらえる優先度などは、翻訳会社に入ってからの実績などで判断されることが多く、資格を持っているかどうかが影響するわけではありません。
資格は、翻訳会社のトライアルの際に実力を見る参考として考慮してもらる点では、取得した方が有利であると思われます。
英語関連の資格
- TOEIC
- 英検
などが有名ですが、日商ビジネス英語検定試験、国連英検などもあります。
いままで出会った翻訳者たちの中では、TOEICや英検などの英語関連の資格を持っておられる方が多く、翻訳の資格を持つ方はごく少数派であったように思います。
英語関連の資格は、翻訳だけでなくいろいろな職種において持っていれば役立つので、そういう意味では取得しておくことをお奨めします。
翻訳関連の資格
翻訳に関連した資格には、以下のようなものがあります。
ほんやく検定
JTA公認翻訳専門職資格試験
翻訳実務検定
ビジネス英語翻訳士検定試験
工業英検
知的財産翻訳検定
その他に、RCCT登録の翻訳検定試験があります。
これは、2つの機関(JTF、日本知的財産翻訳協会)が主催するほんやく検定(上記)、知的財産翻訳検定(上記)の該当級の資格取得が前提で、他に必要な要件を満たした者が登録できます。
RCCTでは、ISO17100に基づく翻訳者(Professional Translator)の資格登録を行っており、今後この制度を考えていく必要があると思われます。
関連記事 翻訳者登録制度とはなにか
翻訳関連の資格のメリット
翻訳関連の資格のメリットとしては、合格者が公表されているサイトがあれば、他社から依頼を受ける可能性が広がり、系列の翻訳会社から直接仕事を得る機会ができたりことです。
また翻訳会社のトライアルを受ける前に書類審査がある場合があり、民間の資格でも履歴書に記載しておけば採用試験を有利に進めることができるでしょう。
どの資格試験を受けるかは、それぞれの検定の趣旨を検討して自分に合ったものを選ぶことが大切です。
資格取得のすすめ
これらの試験はインターネットを使った在宅受験なので、翻訳を勉強されている一方で育児や介護などがあって外出しにくい方でも受験することができます。
翻訳者に資格は必要がない - という状況がいつまで続くかは予測できません。
海外の例を見ますと、オーストラリアでは資格がないと翻訳者になることができず、またイギリスでは資格を持つほうが明らかに有利に仕事をすることができるようです。
資格がなくても翻訳者にはなれるが、有資格の翻訳者との差別化が進む - という事態が将来起こるかもしれません。
フリーランスという働き方は、自由度が高い反面、収入が不安定です。
これをカバーするためには、複数の翻訳会社に登録してコンスタントに受注できるようにすること、またできるだけ単価の高い案件を引き受けるようにすることが収入の安定化につながります。
資格の取得を視野に入れて、これからの翻訳業界の動向に目を向けていく必要があるでしょう。
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