翻訳者登録制度とは何か

翻訳者登録制度の導入

翻訳者になるためには資格が必要かでは、現状では資格がなくても翻訳者として仕事することができると書きました。

けれども将来には、資格がなくても翻訳者にはなれるが、有資格の翻訳者との差別化が進む - という事態が起こるかもしれません。

その要因の一つとして、2015年に発行された翻訳の世界標準規格ISO17100 (Translation services Requirements for translation services)が挙げられます。

翻訳の世界標準規格ISO17100

この規格は、ヨーロッパにおける翻訳の品質規格であるEN15038を基にして翻訳の品質確保のために作られたものです。

高品質の翻訳サービスを提供するために、翻訳と翻訳サービス、翻訳サービス提供組織での翻訳の業務の流れ、翻訳サービスに係る翻訳者や校正者、翻訳サービスのプロセスなどの要求条件を定めた国際規格です。

その意図は、翻訳された文書の評価ではなく、翻訳サービスのプロセスとそのプロセスを行う担当者の力量を評価し管理することにあります。

ISO17100は、翻訳会社、翻訳者だけでなく、クライアント、校正者やその他の関係者に関する規格となっているのです。

この国際規格が日本に浸透していくにはいくつかの問題点が指摘されているようです。

けれども現在、いくつかの翻訳会社が日本規格協会によるISO17100認証を獲得済で、この国際規格が翻訳業界に普及しつつあることを示しています。

翻訳者登録制度の内容

そして、ISO1710の発行を受けて2017年に翻訳者登録制度が開始されました。

これは、国際規格ISO17100に基づき、専門的力量を有する翻訳者を第三者機関(日本規格協会 翻訳者評価登録センター)が評価し登録する制度です。

この制度では、資格には3つの区分(APT: Advanced Professional Translator、PT: Professional Translator、PPT: Paraprofessional Translator)があり、それぞれ登録要件が定められています。

合格して登録する際には、登録料が発生し、翻訳者の負担になりますが、APTの資格を取るとトライアル免除という翻訳会社もあらわれているので、新しい会社にトライアルなしに登録できる可能性がでてきます。

クライアントが、ISO17100に準拠した翻訳として依頼をするようになると、この制度の資格を持っている翻訳者の需要が増して、価値が上がり、翻訳者の差別化が進むと思われます。

今後この制度がどのように運営されるのかに注目していく必要があると思います。

翻訳の資格の取得を目指している方は、この制度を考慮して対策を講じる必要があると思われます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA