和訳文の文体と記号の訳し方

英文和訳における文体

英文の文章を読んで、和訳しようとすると、文体や符号など細かな点でどのように訳していいか迷ってしまうことが多々あります。

文体

まず文体ですが、実務翻訳の分野でも文書の種類によって異なり、Webサイトや使用説明書(ユーザーズマニュアル)などを翻訳するときは、「です、ます」調を使う方が読みやすく、読者に訴えかけます。

一方、論文、技術文書、手順書(SOP)などでは、「である」調で書くのが普通です。

訳文全体を通じて、文体を統一する必要があります。

引用符(” “)(’ ‘)

実務翻訳ではあまり見られませんが、「である」調の文中で、引用符(ダブルクォーテーションマーク(””)やシングルクォーテーションマーク(”))で囲まれた会話などは、「です、ます」を用いる場合が多く、「である」体と「です/ます」体が混ざっている場合も時に見かけられます。

また、単語を強調するために引用符で囲まれている場合がありますが、通常は「 」で表します。 例  ”manual” → 「取扱説明書」

終止符(.)

終止符は、「。」で表します。
終止符は、単語の省略形にも使われています。
例: Doctor → Dr.

疑問符(?)と感嘆符(!)

疑問符や感嘆符は、小説などではそのまま訳文に使われている場合もありますが、実務翻訳では「。」で表記して文章を終わります。

コロン(:)とセミコロン(;)

コロンとセミコロンの違いを明確に把握している人は少ないと思いますので、おさらいしておきましょう。

コロンは前の文章に続けて、詳しい説明、情報の追加、列挙、引用文などを入れる場合に使用されます。

例: He enjoys many hobbies: driving,  scuba diving, playing a guitar, etc.

コロンは、一部の例外を除き、訳文にそのまま使うことはまずありません。

コロンの後には、前の文章に関係性が深い事柄がくるので、「つまり」や「例えば」などで表すことができます。

例外として、コロンは、3 : 5 や 例: のように、和訳文に使用されることがあります。

セミコロンの後には、等位の文(主語+動詞)が来ます。

セミコロンは、ピリオドに近い意味を持っていて、接続詞なしで文をつなぐことができます。
例: I am a doctor;my brother is a teacher.

セミコロンも和訳文に使うことはまずなく、「そして」、「さらに」などで表すことができます。

インターネットではいろいろなスタイルガイドを閲覧することができますので、一度目を通しておきましょう。

JTF日本語標準スタイルガイド(翻訳用)  実務翻訳において和訳時に使用できる日本語表記ガイドラインです。

Microsoft Localization Style Guideのダウンロード  日本語を選択して、ダウンロードします。

日本語表記ルールブック (書籍)

カタカナの表記

カタカナで表わされる外来語の表記も、統一する必要があります

長音(ー)の表記

* 英語の語尾が‐er、‐or、‐ar、-yの場合

例: コンピューター(computer)、ドライバー(driver)、メーカー(maker)

ただし、4文字以上の時は長音(ー)を省く場合もあります。例 コンピュータ(computer)

上記のように、computerをコンピューターと訳すかあるいはコンピュータと訳すかは、案件ごとに異なる場合があります。

翻訳会社指定の用語集に従いましょう。

* 「ai」「a+子音字+e」「o」など、発音記号が”ei”、”ou”などのアク
セントのある二重母音になる場合

表記には長音符号「ー」をあてます。

例: インフォメーション(information)、エスカレーター(escalator)など

* 英語の語尾の‐reである場合

原則として長音符号「ー」を付けない。

例: ケア(care)、ハードウェア(hardware)など

しかしこれらにも例外があります。

インターネットで外来語(カタカナ)表記ガイドラインが手に入りますので、一度読んでおいた方がいいでしょう。

テクニカルコミュニケーター協会 外来語(カタカナ)表記ガイドライン

文体やカタカナ表記の外来語は、翻訳会社が統一を図るために案件ごとに用語集を配布することがあります。指示にしたがって翻訳することが重要です。

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