翻訳者にとって、パソコンと辞書は最も重要なものです。
機械に弱い私は、情報技術(IT)の進歩についていくのに必死でした。
翻訳に使うPCや通信機器などあらゆる面で知り合いの同業者のお世話になり、新しい情報を教えてもらってやっと続けてこられました。
なにしろ翻訳ボランティアをしていたころ(early 1980s)はタイプライターの時代。
ワープロの時代 (1980s) を経て、コンピュータのOSも最初はMS-DOS、ワープロソフトは日本語が一太郎、英語がWordStarといったものでした (1990s)。
パソコン通信は電話線を介したもので、プロバイダーと契約して秒か分単位で課金されていました。
パソコン通信をしている間は電話はつながりませんでした。
コンピュータの機種が変わると通信機器との接続の再設定が難しく、詳しい方に来てもらったりしていました。
コンピュータ、通信機器とも次々と新しい機種が出てきて設定が簡単になり、自分でもできるようになってきました。
よくもまあ曲がりなりにも情報通信技術の進歩についていけたものだと驚くほかありません。
翻訳の仕事を続けてこれたのは、電子機器に精通している知人のおかげであって、感謝しかありません。
長年続けた経験から言えば、これから翻訳を始めようと思われている方は、ワード、エクセル、パワーポイントが使えれば、PCはどのようなものでもOKです。
しかし仕事では納期がきついので、これらのソフトの操作を速くできるように習得しておく必要があります。
高スペックのPCの必要性
どのようなパソコンでもインターネットに接続できれば、翻訳の仕事をすることができます。
しかし、翻訳の仕事をこなすには作業能率が非常に重要なファクターとなってきます。
検索、入力、納品どれをとってもPCに依存しているので、処理能力の低いPCを使っていれば、かかる時間は長くなります。
新しくパソコンの購入を考えておられる場合は、将来に向けて作業効率の向上と収入の増加を図るために、デスクトップタイプでプロセッサ(CPU)性能が高く実装メモリ容量(RAM)の大きいPCを選ぶことをお奨めします。
デスクトップタイプは、コスパが良く、良い姿勢を保つことができ、入力する手の負担が少なくなります。
CPU性能は、パソコンの処理能力に関係していて、処理能力が高いと仕事がはかどり、作業時間が短縮されます。
RAMは、パソコンの記憶に関係していて、容量が大きい方が、動作スピードが速く安定します。
一方で高スペックのパソコンは、価格が高くなります。
まだ翻訳の収入がない段階で、高い先行投資をするのは大変ですが、スペックの良いPCを使用すれば、作業効率が良くなり収入の増加につながるので、一考の価値があります。
さらに作業時間の短縮によって余った時間を翻訳の勉強や休息や家事などに使えるので、生活の質を高めることができます。
私は国産メーカーの製品で最新モデルが販売された後の型落ち品を買っていましたが、日本製に限らず外国製のPCでカスタマイズできて、コスパの良い製品があるようです。
大画面のモニター
また大画面のモニターを購入するのも効率化のために良いと思われます。
大きな文字で作業できるので目が疲れず、画面を左右二分割して、原文と訳文を同時に表示できて作業がしやすくなります。
ただ私は長時間画面を見つめていると目が疲れて肩こりがひどくなるので、原文を印刷して紙媒体のものを使っていました。
作業効率は落ちますが、健康維持には変えられません。
辞書検索用のモニター(PC)の必要性
仕事が軌道に乗ったら、PCをもう一台増やすか、モニターを増設してデュアルモニターにすることをお奨めします。
翻訳作業用と辞書検索用の画面が別になり作業効率がかなり向上します。
翻訳は納期に追われる仕事ですので、パソコンの不調は致命的です。
PCが2台あれば、パソコンが故障した時にすぐに対応できるのでPCを2台持つことをお奨めします。
金銭的余裕があればCATツール
さらに余裕があれば、CATツールの導入も検討してみましょう。ただし登録する翻訳会社がどのようなCATツールを使っているか調べてからにしましょう。
翻訳メモリーに自分の翻訳が蓄積されるので、かけがえのない資産となります。
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